カニバリズム(英語:Cannibalism)とは、人間が人間の肉を食べる行動、或いは宗教儀礼としてのそのような習慣をいう。「食人」または「人肉嗜食」とも言う。
なお、カニバリズムに関する一次資料のほとんどすべては、他者についてのものであり、偏見や侮蔑に基づくものも多くその信憑性はかならずしも高くはない。
また、生物学用語では種内捕食(いわゆる「共食い」)全般を指す。
スペイン語の“Canibal”が語源。Canib-はカリブ族の事を指しており、16世紀頃のスペイン人には、西インド諸島に住む彼らは人肉を食べると信じられていた。そのためこの言葉には「西洋キリスト教の倫理観から外れた食人の風習」=「食人嗜好」を示す意味合いが強い。
発音が似ているため日本ではしばしば謝肉祭を表すカーニバル(carnival) と混同されるが、こちらは中世ラテン語の“carnelevarium”(「肉」を表す“carn-”と「取り去る」を意味する“levare”が合わさったもの)を語源に持つ。しかし、本来のラテン語においても混同、若しくは区分されておらず、ラテン語読解の際には注意する必要がある。
習慣としてのカニバリズムは、大きく以下の2種類に大別される。
社会的行為としてのカニバリズム
単純に人肉を食うという意味合いでのカニバリズム
加えて粟屋剛は、臓器移植や流産胎児、胚の医療目的の人体利用について「ネオ・カニバリズム」を提唱している。
特定の社会に於いて、対象の肉を摂取する事により、自らに特別な効果または栄誉が得られると信じられている場合がある。しばしばその社会の宗教観、特にトーテミズムと密接に関係しており、食文化と言うよりも文化人類学・民俗学に属する議題である。
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(1)自分の仲間を食べる族内食人と、(2)自分達の敵を食べる族外食人に大別される。(1)族内食人の場合には、死者への愛着から魂を受け継ぐという儀式的意味合いがあると指摘され、(2)族外食人の場合には、復讐等憎悪の感情が込められると指摘される。日本に残る「骨噛み」は、前者の意味合いを含む風習と考えられる。
また『新約聖書』に於けるイエス・キリストの聖餐は、人肉食の暗喩であると取る見方もある。
中世ヨーロッパではキリスト教以前の風習として、死者の血肉が強壮剤や媚薬になると信じられており、その一環としてカニバリズムを行った事もある。
人身供養と考えるか、葬制の一部と見るのかによって意味合いが変わってくるが、社会的な行為と考えられる。ニューギニアの一部族に流行していたクールーと呼ばれる人のプリオン病は、族内食人が原因であった事が判っている。
なお、タンパク質の供給源が不足している(していた)地域では、人肉食の風習を持つ傾向が高いという説がある。実際、人肉食が広い範囲で見られたニューギニアは他の地域と比べ豚などの家畜の伝播が遅く、それを補うような大型野生動物も生息していなかった。